江籠裕奈が、12月3日(水)に5thシングル「D∞ll(ドール)」をリリースした。人形の視点から“誰かを想う気持ち”を描いた同作で、江籠は“人形の気持ちになって歌う”という新たな表現に挑戦。淡々としながらも、やさしさと切なさが共存する歌声は、アーティストとしての成熟を感じさせるものとなっている。表現者として確かな歩みを続ける彼女に、新作をはじめ、現在の心境と来年への想いを訊いた。
撮影:河邉有実莉
編集協力:竹内伸一
編集協力:竹内伸一
共感してくれる人がたくさんいるんじゃないかな
――5thシングル「D∞ll」は、これまでの作品とは方向性が違う印象を受けました。
江籠裕奈(以下、江籠) だいぶ違いますよね(笑)。
――最初に聴いた時はどう思いました?
江籠 最初は歌詞だけだったんです。作詞家の方が、“昔からいたお人形と、ちゃんとハッピーエンドになる物語を作りたい”という話をしてくださって。そのお話を聞いて、すごくいいなって思いました。
――好きなフレーズは?
江籠 “たくさんの涙の意味は分からないけど 私は君をどうにか抱きしめたかった”は、温かいけど切ない歌詞だなって思いました。
――レコーディングはどうでしたか? 人形目線で歌うのは大変だったのでは?
江籠 人以外の何かになって歌ったことがなかったので(苦笑)、難しかったです。でも、人形になって歌うというのは、これまでとは違って面白かったです。“淡々と歌って”というリクエストがあったので、最初の明るいパートは淡々と歌って、途中、持ち主が大人になっていって、自分から離れていっちゃうかもというところは“そこで初めて本当の気持ちがわかる感じで歌ってほしい”と言われたので、意識して歌いました。
――レコーディングには、事前にイメージを固めて臨むのでしょうか?
江籠 事前になんとなくイメージしておいて、スタジオではディレクションされたことに近づけるように歌っています。自分の中での正解を持っておきつつ、曲や詞を作った方の狙いどおりになるのが1番だと思うので、まずはリクエストどおりに歌います。
――今回の歌詞のストーリーに感情移入した部分はありますか?
江籠 私にはこういう存在のお人形がいないから、もしこの歌みたいなドールが自分にもあったら、感動しすぎちゃうというか、感情が溢れちゃうと思います。そういう意味では、共感してくれる人がたくさんいる曲じゃないでしょうか。
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