インタビュー
【インタビュー】高柳明音 × 俊龍、奇跡の連続から生まれた対照的な2曲「どちらも嘘のない楽曲」
2026.04.24 12:00
俊龍、高柳明音
元SKE48チームKⅡのリーダーを務め、現在は俳優・ソロアーティストとして活動する高柳明音が、6月3日(水)に1stミニアルバム『Spirit』をリリースする。

全曲の作詞を高柳自身が手がけた本作は、これまでの歩みとこれからへの想いが込められた、彼女の表現者としての“現在”をぎゅっと収めた充実作となる。

今回、SKE48の数々の楽曲を手掛け、『Spirit』収録の「星、流れる夜に君を想う」「爛漫スピリット」の作曲を担当した作曲家・俊龍とともにインタビューを実施。2人に制作エピソードを中心に話を訊いた。
 
インタビュー&文:黒川リア(BEEEEM編集部)
 

矛盾しているけど、どっちも嘘じゃない(高柳)

ーー今回、俊龍さんが1stミニアルバム『Spirit』収録の「星、流れる夜に君を想う」「爛漫スピリット」を手掛けられたそうですが、それぞれどのような楽曲になっていますか?
 
高柳明音(以下、高柳) 「星、流れる夜に君を想う」は、一昨年(2024年)私がオーディション合格から15周年を迎えたことを記念して開催したソロライブに合わせて制作した楽曲です。俊龍さんには、その時私が書いた歌詞に、音をつけてもらえませんか?とお願いして作っていただきました。その翌年(2025年)から音楽活動を本格的にスタートさせ、1stソロライブをすることも決まり、ライブで盛り上げられるような曲を作ってほしいとお願いして出来たのが「爛漫スピリット」でした。
 
ーーなるほど。
 
高柳 俊龍さん主催イベント<俊龍F>(2025年5月11日にカルッツかわさき(川崎市スポーツ・文化総合センター)ホールで開催された<俊龍F~死ぬほどあのコールさせてやるよ~>)に出演させていただいた時に、「星、流れる夜に君を想う」と、俊龍さんが作ってくださったSKE48の楽曲「ごめんね、SUMMER」を歌ったんです。後日、関連トークイベント(2025年6月27日にロフトプラスワンで開催された<俊龍F~大反省会 vol.2~(仮)>)にも出演させていただいて、私が<俊龍F>本編で「ごめんね、SUMMER」を歌ったので、その曲のデモ音源をファンのみなさんと聴いてみたんです。そうしたら、完成版に使われていないフレーズがあることがわかって、しかも使われていないのがもったいないくらい良いフレーズだったんです。その場で“このフレーズ、欲しいです!”とお願いしたら、「爛漫スピリット」に入れていただけることになりました。
 
ーーその「爛漫スピリット」の歌詞のメインテーマについて教えてもらえますか?
 
俊龍 アクセルの要素とブレーキの要素の両方があるような楽曲だと思います。もっと盛り上がりたい自分と、冷めているというか客観的に見せたい自分が混在していて……でも、最終的には突き進んでいきたいという想いがこめられています。
 
高柳 矛盾しているけど、どっちも嘘じゃないみたいな。
 
俊龍 人前で表現する人たちって、むしろそういう方が自然なんじゃないかと思うんです。複雑というか混沌としていて、でもそういう自分でもいいよねみたいな感じで、ちょっとポジティブに捉えてくれたらいいなと。あとはみんな笑ってくれるような雰囲気もある。
 
高柳 ライブで盛り上がれるような歌で、“声出しができて、笑って”みたいなところは絶対に入れてほしいって最初にお願いしました。でも、私ギリギリまでセリフがあるとは思ってなくて、びっくりしました(笑)。コール&レスポンスもあったり、本当に盛りだくさんなので、聴いていてすごく楽しい楽曲だと思います。
 
ーー歌詞の土台を作ったのは俊龍さんですか?
 
高柳 どんなことを伝えたいのか?という核の部分を私がまとめて、思いのままに書いたものを歌詞にしてくださいました。
 
ーーでは、ブラッシュアップされた歌詞を見た時の第一印象は?
 
高柳 私だったら絶対に思い付かない歌詞だなと思いました。
 
ーー特にどのフレーズですか?
 
高柳   《マイナス×マイナス でっかいプラスを勝ち取る》や《今こそメンタルトランスフォーム》ですね。私も普段から“ピンチこそチャンス”みたいなことをよく言っていて、俊龍さんに最初に送った歌詞にも“発想の逆転”みたいな言葉を入れていたんです。負けだと思っていることも、別の視点から見たら勝ちではないかみたいな意味で送った歌詞が、このように変換されていて、すごく面白いなと。あと、曲の中に絶対動物を入れたいと言っていました。
 
ーー動物ですか?
 
高柳 候補としていろいろな動物を挙げていたんですけど、最終的に一匹狼になりました(笑)。
 
俊龍 狼、良かったよね!
 
高柳 “狼、最高”って思いました。あと私が鳥好きなので、《優越感を味わいたい 劣等感よ羽根になれ》という歌詞に鳥っぽさも入れてくださいました。
 
ーー先ほど、高柳さんは野鳥を撮影されるのがお好きだと伺いました。
 
高柳 そうなんです。歌詞に関しては、私が最初に送ったものにさらにポジティブ要素が加わったという印象です。私が送った言葉の中に“プライドを捨てたい自分がいるのに捨て切れない”みたいなものがあったんですけど、それに対して“プライドは捨てろって言われるけど、誇りは捨てろって言われないよね”って言われて、“確かに!”って思いました。
 
ーー新たな発見があったわけですね。
 
俊龍 僕にとっては、「ごめんね、SUMMER」で使われなかったフレーズを採用してもらえたのがすごくありがたかったです。クリエイター視点では、使われなかったフレーズは、そのままずっと消えてしまってもおかしくないもので、それをみんなで聴いたからこそ発掘してもらえて……。(歌詞全体を見ると)情緒の振り幅が大きいけど、そのおかげで自分的にはポジティブな気持ちで歌詞を作れたと思います。
 
高柳 マネージャーさんがデモ音源を持っていてくれたからできたことですね。
 
俊龍マネージャー 聴かせちゃおうと思って聴かせたら、予想外に反応が良かったです(笑)。17年前のデモをここで回収するという奇跡が起きました。
 
高柳 私がその楽曲を歌っていたグループにいたからこそできたことでもありますし、本当に奇跡の連続で生まれた曲だと思います。
 
ーー俊龍さんは、いつもどのように作詞をしているのですか?
 
俊龍 家で1人でお笑い番組を観ている時の心の独り言を、声に出して歌ってみたらどうなるんだろう?みたいなことを考えて作っています。あと自分の曲は、声優さんやアイドルさんなど、いろいろなアーティストや幅広い年代の方に歌っていただいているので、それぞれが抱えている葛藤などから作ったりしています。
 
ーー「爛漫スピリット」で印象的な歌詞は?
 
俊龍 葛藤を歌っている歌詞もあるけど、レコーディングで決まったBメロのラストのところじゃない?
 
高柳 《目指すは1等 宝くじ!!》っていうセリフが入っていて、もともとは《ジタバタした分稼ぎたい》っていうセリフだったんです。
 
俊龍 “ちょっとアッパーな感じにしようか”って言っていたんだよね。
 
高柳 “稼ぐ”っていう言葉だと大人にしか使えないから、子どもから大人まで1発当てたいみたいな感じで“宝くじ”って言ったら、じゃあ“《目指すは1等 宝くじ!!》はどう?”って言ってくださって。この歌詞には、“今まで頑張ってきたことを全部認められたいのに、なかなか認めてもらえない”とか、“自分のプライドが邪魔して踏み出せない、でも騒ぎたいよね”といった、いろいろな意味が詰まっています。“結局何かで当たればそれでよくない?”“宝くじを当てたら楽になるのかはわからないけど、(人生における)1つの楽しい要素になるんじゃない?”みたいな気持ちが、このレコーディングで決まったセリフに詰まっていると思います。
 
俊龍 自分はそんなに狙ったつもりはなかったんですけど、みんなに刺さったみたいです(笑)。
 
高柳 本当にド刺さりですよ! 最近はお客さんみんなが《目指すは1等 宝くじ!!》って一緒に歌ってくれて嬉しいです。最近のライブは撮影可能なことも多いのですが、撮影していると静かになりがちじゃないですか。でも、このパートだけはみんな叫んでくれる(笑)。アイドルライブでよく見るコールができなくても、ここは誰でも言えるので、絶対ライブでレクチャーしています。
 
メディア
アーティスト

RANKING!

人気記事