ヲタク専用の老人ホームを作りたい
第2部のテーマは“音楽”。第1部と同様、ファンとの乾杯とともに幕を開けた。空野は先ほどの対談を振り返り、“アニメーターの方と1対1でお話しできて光栄でした”と、充実した表情を見せる。
続いて、この日のハイライトとも言えるDJタイムへ。“今日来てくれている戦士(ファン)は大人しめの方が多そうなので頑張って!”と呼びかけ、フロアの熱を一気に引き上げていく。
アイドルソングやアニメソング、さらには懐かしのヒットナンバーまでジャンルを横断する楽曲が次々と投下され、会場のボルテージは加速。米津玄師の「IRIS OUT」や、松平健の「マツケンサンバⅡ」といった楽曲も飛び出し、フロアは大きな一体感に包まれた。
自身の楽曲が流れると、馴染みのコールやヲタ芸で応えるファンたち。ラストには「WAになって、ベリチョコステップ!」で肩を組んだサークルが広がり、熱気は最高潮へ。空野も“いい景色!”と笑顔を見せ、DJタイムを全身で楽しんでいた。
2部の最後には、公開インタビューを実施。ファンからの質問をはじめ、空野の音楽観や影響を受けたカルチャーなども話題となり、表現者としての彼女に迫る内容となった。
空野 すごく素敵な質問! やってみたいのは公務員かも。でも公務員って試験に合格しないとなれないから、それを通過できるかはわからないけど……。学校の先生とかやってみたいです。
ーーちなみにどの教科ですか?
空野 やっぱり、保健体育とか?(笑) フィジカル系の教科がいいですね。脳はあまり使わない系がいいな。
ーー空野さんはアットホームな戦場(ライブ)もあれば、少しアウェイな戦場もあると思うのですが、それぞれ気をつけていたり、意識していることはありますか?
空野 けっこうアイドルをやっていると、アウェイ戦が多いんです。青猫戦士(空野のファンの総称)はけっこう知らなくても一緒に盛り上がってくれる人が多いのですが、そうではない界隈の方が多い時はけっこう緊張します。そういう時に青猫戦士が1人でもいると、すごく頑張れる。あおにゃん(空野)主催ライブは本当に“考えるな、感じろ”みたいな感じだから、自由にやらせてもらっています。そのギャップが面白かったりもします。
ーー続いての質問は、鯉の餌やり同好会様からです。
空野 鯉の餌やり同好会は、実は私が会長をやっている同好会なんですよ(笑)。
ーー以前AI活用による作品作りをされていましたが、性能が飛躍的に進化した今、表現活用の補助としてどのような利用が考えられますか?
空野 すごく脳みそティブな質問ありがとうございます(笑)。私はよくAIを活用させてもらっているのですが、今の時代、AIにアレルギーのある方もいらっしゃるので、そこはできるだけ共存していく形で提唱していきたいですね。例えば、AI自体にキャラクターみたいな名前があれば、愛着が沸くというか。そういうふうにキャラクター的な感じで私の中で考えていたところなので、すごく素敵な質問で嬉しかったです。
ーー単独戦闘型アイドルとして活動する上で、日々気をつけていることは?
空野 先ほどの重田さんのお話の中で、すごく腑に落ちることがあって。それは“需要を絶対に忘れないこと”。押し付けになりすぎない世界観というか。例えば、私がガンダム好きだからといって、口を開けばガンダムの話をするみたいになると、少しとっつきにくくなってしまうこともあると思うので、(興味の)入口を提示して、好きの輪を広げていけるように活動しなくてはいけないと思っています。
ーー影響を受けた音楽やカルチャーはありますか?
空野 中学生ぐらいの時、深夜に放送されていた『けいおん!』というアニメからオタクカルチャーにハマりました。そこで豊崎愛生さんの声を聴いて、“世の中にはこんなにふわふわしていて可愛い声のキャラクターがいるんだ”と思って。今まで可愛い女の子は、地声の音域が広くないといけないっていう謎の固定概念があったんです(笑)。自分はけっこう普段からミックスボイス(地声と裏声を融合させた発声法)で話しているタイプだったので、豊崎さんの声を聴いてかなり勇気をもらいました。豊崎さんの歌声とかもたくさん聴いて、そこからアニメ音楽にも興味を持つようになって。『けいおん!』というアニメからいろいろなことを学びました。
ーーDJはどのようなきっかけで始めたのですか?
空野 仲の良いアイドルちゃんたちの人気曲の落ちサビだけを歌うっていう企画をやりまして、その時に音楽を繋げてみたのがきっかけです。その時に“これって、DJみたいなことなのかな”って思いました。“DJやるぞ”みたいな感じで始めたわけではなくて、企画の1つでした。音楽を繋げてみんなで楽しみたいっていう想いから、“DJあおにゃそ”という謎のコンテンツが生まれました。
ーー気持ちの面で、DJとしてやるライブとアイドルとしてやるライブに違いはありますか?
空野 今日改めてDJをやって思ったのは、アイドルをしている時は歌わなきゃいけないけど、DJをしている時は好きなMIXを打ってみんなに歌わせるんだということ(笑)。何をしても正解みたいな雰囲気があるので、すごく気持ちが良いんですよ。アイドルとは違った楽しみ方ではあるけど、共通している部分もあります。これからも遊びの1つとして、DJは続けていきたいなと思います!
ーーアイドルとしての近況も教えてください。
空野 本当にたまたまなんですけど、5月16日(土)にここ(SHIBUYA XXI)の下にあるライブハウス・SHIBUYA FOWSさんでワンマンライブ(<朝からごきげん!?いけんのかAONYAZOO>)をさせていただくんです。FOWSさんには対バンライブで2度お世話になっていまして、すごく良い箱だと思っていました。いつかここで主催ライブができたらいいなと思っていたタイミングで開催させていただけることになったので、良かったらぜひ遊びに来ていただけると嬉しいです!
ーー主催ライブでサプライズ的なものはあったりするんですか?
空野 それこそバトルスーツ(衣装)はライブのコンセプトである動物園仕様になっていまして、それはちょっとしたサプライズかなと思います。
ーー今後の目標を教えてください。
空野 来年ぐらいまでには、大きめの主催フェスを野外でもやりたいと思っています。お世話になっていたり、仲の良いアイドルちゃんたちや自分のヲタクのみなさんにも還元できるような、楽しいが溢れたアイドルフェスをやりたいです。
ーー野外フェスにこだわりが?
空野 さっきもDJタイムで輪ができていたと思うんですけど、あれを野外でやるとすごく気持ちいいんです。関東では野外フェスへの出撃(出演)のタイミングがなくて、昨年は大体雨だったんです。空野青空のくせに(笑)。“音楽、アイドルヲタクって最高”って、みんなにも思ってほしいので、野外にこだわっています。
ーーさらに先の目標はありますか?
空野 ヲタク専用の老人ホームを作りたい(笑)。老人ホームって言うと、“ずっとそこに暮らすの?”ってイメージしてしまうと思うんだけど、まずはデイケアサービスみたいな。ヲタクのネットワークを大事にしながら、年老いていけるコミュニティ作りをやっていきたいと思っています。
ーー最後に本日のイベントを振り返っての感想をお願いいたします。
空野 以前、ここには茶しばきに来たことがあって、そんな場所でイベントができるという素敵な機会をBEEEEMさんにいただけて嬉しかったです。こちらの会場さんにもお世話になっているので、いつか下のライブハウスさん(SHIBUYA FOWS)と、このSHIBUYA XXIさんで連動企画とかできたら楽しいかなと思ったりもしまして……。夢も広がりましたので、今後ともよろしくお願いしますといった感じです!
アットホームな雰囲気で空野の現在地に迫ったイベントとなった<BEEEEMナイト vol.3>。ファンたちの大きな拍手に包まれながら、空野は笑顔でステージを後にした。