レポート
可憐なアイボリー、4周年記念ワンマンで示した揺るぎない決意「12⼈でアイドルである誇りを持って、夢に向かってこれからも⾛り続けます」
2025.10.07 10:27
HoneyWorksがサウンドプロデュースを務める、アイドルグループ・可憐なアイボリーが、10月5日(日)にSpotify O-WESTでデビュー4周年を記念したワンマンライブ『可憐なアイボリー 4th Anniversary Live ~Prologue in Wonderland~』を開催。結成から4周年を迎えたグループの集大成のようなセットリストに演技を融合した、新たな挑戦の詰まったステージを届けた。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

撮影:林晋介
取材&文:ATSUSHI OINUMA

この日はソールドアウト公演ということもあり、会場のSpotify O-WESTも開演前からファンの熱気で溢れ、熱い夜になることを予感させる空気が漂っていた。12色のペンライトで染まる場内にライブの始まりを告げるovertureが流れ出すと、会場から一斉にクラップが沸き起こり、メンバーがステージに登場。はじめにストーリー仕立ての演出がくり広げられた。

物語の舞台は、森の中にある“愛の国”。この国には愛に悩んだ人間が迷い込んでくるのだという。ミュージカルの始まりのように、愛の国の住人であるメンバーが一言ずつ発したところで、そんな愛の国の森へと迷い込んできた1人の少女・橘美空がステージへ。愛すること、愛されることを忘れてしまった橘のもとに11人の住人が近寄ると、こう告げるのだった。“愛の国に入るための大事な言葉を思い出して。「好き」という言葉を”と。

すると、“みなさん、ようこそ愛の国へ。今日は一生忘れられない素敵な時間を過ごしていきましょう!”というリーダー永尾梨央の煽りから、「君は必ず好きになる」でライブが幕を開けた。サビの“はい!はい!はい!”や“ダメ!ゼッタイ!”といったかけ声やコール、最後の歌詞“言うよ…“大好き””を受けての“おれもー!おれもー!”というファンのお決まりの叫びで早くも一体感が生まれると、ステージ後方のビジョンにはポップな映像が映し出され、「かわいい顔の⼩悪魔です」へと続いていく。“最高のアイドル 最高にアイドル!”という最後の歌詞が響き渡ったところで「可愛い理由」へ。ラスサビではシャボン玉の演出が加わり、多幸感を生み出すと、⾼澤百合愛の“思い出してきましたか? 大切な気持ちを。カレアイからの恋の合図を見逃さないでね”という煽りから、メジャー1stシングルより「恋のガイドブック」を披露。終盤の「好き」というセリフ、そしてサビの転調で曲の世界観へ一気に引き込んでいく。最初のブロックでは、“好き”という気持ちを思い出させてくれるような楽曲を4曲ノンストップで披露し、再び愛の国のストーリーへ。
“好き”を久しぶりにたくさん聞いた橘が、さらに愛の国の11人の住人との交流を通じて忘れかけていた“愛”という感情を思い出し、徐々に笑顔を取り戻していくと、メジャーデビューアルバム『白じゃいられない』のリード曲「恋の矢印」で次のブロックに突入。12人全員がステージ前方に並んで“私はもう白じゃない”と潔く歌い切ると、遊園地のようなワクワクする映像をバックに「おまえも♡」へ。この曲でも“おれもー!”という定番コールの連呼で、会場のボルテージはさらに高まっていく。続いて、寺本理絵がイントロで“みんな、まだまだ踊り足りないよね? たくさん飛んでいくよ!”と煽ると、「ビュティホ」へ。クラップとともにサビに向かう高揚感とメンバーの高音ボーカルが映える魅力的なナンバーだ。サビではメンバーが何度もファンを煽りながらジャンプしてパフォーマンスしていく。特に後半、アカペラでの12人のユニゾンからラストのサビへと向かっていく展開は圧巻。12人のフォーメーションにも注目したくなるライブの鉄板曲と言える。続いて、橘がイントロの煽りを担当すると歓声が上がり、「夢ファンファーレ」へ。この曲は12人の振りつけがシンクロするところも見所の1つ。「恋の矢印」で始まり、新旧の楽曲を織り交ぜたこのブロックが終わると、会場からはひときわ大きな歓声と拍手が上がった。
ここで再び、愛の国のストーリーの最終章へ。11人の住人たちと触れ合うことで、再び自分の身の回りにも溢れている“愛”の存在に気づき、星空を見上げて思いを馳せる橘。すると、永尾の歌い出しから新曲「愛の国と星のダンス」へ。初披露の新曲ということもあり、愛の国のストーリーからの余韻もあり、メンバーが歌う姿をじっと見つめながら曲に聴き入っているファンの姿がとても印象的だった。4周年楽曲である「愛の国と星のダンス」は、まるでミュージカルの壮大なエンディング曲のような雰囲気を醸し出し、可憐なアイボリーの新境地とも言えるような楽曲となっていた。
「愛の国と星のダンス」の初披露を終えると、続いては映像ブロックへ。ステージのビジョンには、2021年から今日に至るまでの可憐なアイボリーの4年間の歴史を感じさせるさまざまな映像が映し出されていく。2021年のデビュー当初はまだコロナ禍。マスク姿でレッスンに励むメンバーの姿がとても印象的に映っていた。そんな4年間のダイジェストムービーを“恩返しができるように走り続けていきます。5年目も素敵な約束を増やしていけますように”といったファンへのメッセージで締めくくると温かい拍手に包まれ、グレーをベースにした衣装に着替えたメンバーが再びステージへ登場。

目覚まし時計の音が鳴り響くと、福田ひなたの“おはよう”というお馴染みの挨拶から「金曜日のおはよう」で後半戦がスタート。“OK!”や“ちょっと待って”といった定番のコールで盛り上がりを見せると、永尾による“カレアイちゃん4歳になったよ! これから先も……、推し変なんか許さない”という曲紹介から「推し変なんて許さない!」へ。再びシャボン玉の演出が加わる中、最後の歌詞で“誰よりも愛を持ってアイドルしてます! トップ目指して”とアイドルとしての力強い意志を伝えると、圧倒的な爆発力を見せるライブ人気曲「#超絶かわいい」を披露。メンバーの叫ぶような煽りに、ファンも全力の“超絶かわいいカレアイ”コールで応え、続けて人気曲「ファンサ」へ。タイトル通り、メンバーは思い思いにファンサしながらパフォーマンスをくり広げていく。合いの手やクラップ、曲の最後の“L・O・V・E”のかけ声で生まれる一体感と多幸感はライブではすっかりお馴染みとなったシーンだ。後半戦最初のこのブロックは、HoneyWorksの代名詞とも言えるような人気楽曲をギュッと詰め込んだセットリストに。特に、「ファンサ」のサビでメンバーが拳を突き上げて歌っているその姿からは、アイドルとして生きる今この瞬間をとことん楽しんでいるような、そして、自信に満ち溢れているような表情が感じ取れた。
ここで改めてメンバーから挨拶。橘が12人全員での初めての演技を新鮮で楽しかったと振り返ると、永尾も5年目はさらにさまざまな挑戦をしていきたいと約束。また、お披露目から1年が経った新メンバー4人を代表して、西原悠桜が挨拶を。とても濃かったというこの1年を振り返りながら、ファンやスタッフへの感謝の気持ち、ここまで引っ張ってきた先輩メンバーへのリスペクトの想いを語ったところがとても印象的だった。そんな西原の挨拶を受けながら、永尾も“12⼈でアイドルである誇りを持って、夢に向かってこれからも⾛り続けます。5年⽬の可憐なアイボリーを見守っていてください”と語り、「アイドルでよかった。」へ。12人が横一列に並び、1人ずつ一歩前に出て丁寧に歌い繋いでいき、アイドルとしての思いを宣誓しているようなパフォーマンスを披露すると、「不屈のアイドル」と「拝啓ライバル」へと続く。ライブで続けて披露されることも多い可憐なアイボリーのアイドルとしてのエモーショナルな部分が全面に表れた2曲だ。この日のパフォーマンスでも「不屈のアイドル」のサビで2つの旋律がクロスしていくところ、「拝啓ライバル」でライバルに立ち向かう姿を歌とダンスで表現、体現したところが特に心に響いた。可憐なアイボリーのアイドルとしての信念やプライドが感じられるブロックであった。
 
そして、⼩⽥桐ななさが“同じ時代に生まれて、君に出会えて本当に幸せ。みんなのことが大好きだよ”と語ると、「遠キョリ。だって本気」へ。直前まで緊張感のある楽曲が続いていたこともあり、会場はそんな緊張感から解放された様子に。しかし、ファンの声援とコールにはさらに力が入っていく。続いて、メジャー1stシングルより「それは好きってこと」を披露。“終わりがあるから今が美しい”、“全力で輝く命であれ”といった歌詞が美しく鳴り響き、ライブはもう終盤戦に向かっていることを感じさせると、最後のMCは⼟屋玲実が担当。“これまでも、これからも精⼀杯の決意と覚悟を持って歌い続けます。君の⼼臓を掴んで揺らせる最高のパフォーマンスをお届けします。最後の一瞬まで私たちの全力の思いを君の心に刻ませてください”と熱く語り、ラストの1曲「最後のスピーチ」へ。今年5月に全国ツアーファイナルの横浜公演で初披露された楽曲だが、すでに多くのファンの心を揺さぶるライブ人気曲になっている。最後の力を振り絞るようなメンバーの全身全霊のパフォーマンスに、ファンも全力のコールで応えていく。まさに可憐なアイボリーとファンとの魂のぶつかり合いが見られるような曲へと成長。この楽曲でライブ本編は終了した。

本編の余韻に浸る間もなく、盛大なカレアイコールが沸き起こると、熱いアンコールを受けて、Tシャツとスカート姿のメンバーが再びステージに登場。12人体制の原点とも言える「少女たちとアイボリー」でアンコールはスタートし、さらに、メンバー同士の絆やファンとの絆を感じさせる「チームメイト」へと続く。最後に12人が並んで手を繋いだシーンでグッときたファンも多かったことだろう。紆余曲折を経て、5年目の船出に辿り着いた可憐なアイボリー。この12人のメンバー1人ひとりのこれまでの軌跡を証明するようなパフォーマンスとなっていた。
実に全22曲をパフォーマンスした可憐なアイボリー4周年ワンマンライブ。初期の頃に披露していたHoneyWorks代表曲のカバーやメジャーデビュー後のオリジナル曲、新旧のライブ定番の人気曲や初披露の新曲など、可憐なアイボリーのこれまでとこれからが詰まった集大成のようなセットリストに演技を融合させたことで、没入感をより高めたようなライブになっており、可憐なアイボリーの新たな可能性を感じさせてくれた。

メンバーが12人いると、リーダーやセンター的なポジションが注目されがちだが、今回のライブでは曲ごとに異なるメンバーが煽りや語り、曲紹介などを担当。メンバー全員が可憐なアイボリーの主役であることを示すとともに、12人で4周年を迎えられた喜びをファンとともに分かち合うようなライブにもなっていた。誰が主役だったとしても、感情にダイレクトに訴えかけてくる、心臓を掴んで揺らす全身全霊のパフォーマンスは変わらない。そして、そんな可憐なアイボリーのパフォーマンスに全力で応えていくファンのコールやクラップ、メンバーに向けられた愛と熱量も可憐なアイボリーのライブを作り上げる重要な要素となっている。5年目に突入してメンバーの個をさらに強め、ファンとの絆を深めた可憐なアイボリー。アイドルでよかったと笑顔で語りながら、時に小悪魔な可愛い顔も見せ、自分達の武器を持ってライバルとも向き合い、チームメイトといつだって戦っている12人の成長とグループとしてのさらなる飛躍に期待してこれからも見守っていきたい。
セットリスト
Overture
M1 君は必ず好きになる
M2 かわいい顔の小悪魔です
M3 可愛い理由
M4 恋のガイドブック
M5 恋の矢印
M6 おまえも♡
M7 ビュティホ
M8 夢ファンファーレ
M9 愛の国と星のダンス
M10 金曜日のおはよう
M11 推し変なんて許さない!
M12 #超絶かわいい
M13 ファンサ
M14 アイドルでよかった。
M15 不屈のアイドル
M16 拝啓ライバル
M17 遠キョリ。だって本気
M18 それは好きってこと
M19 最後のスピーチ
〜アンコール〜
EN1 少女たちとアイボリー
EN2 チームメイト
EN3 いつだって戦ってる


メジャー2ndシングル「消えない」
発売日:2026年1月14日(水)

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※収録内容は後日発表いたします

メジャー2ndシングル「消えない」収録曲「愛の国と星のダンス」10月15日(水)先行配信開始

配信サイト一覧:https://lnk.to/pre_ainokunitohoshinodance