インタビュー
桜井日奈子【インタビュー】映画『死神バーバー』で向き合った、強がりと不器用さの先にあるもの「すべての人を肯定してくれる作品」
2026.06.19 12:00
 
桜井⽇奈子
 

一生懸命やってきたことが、面白い役に繋がっている

 
ーーイライラっていう話が出てきましたけど、確かに声を荒げるシーンも多かったですし、ちょっと荒っぽいというか、今までの桜井さんのイメージと違う感じがしました。本当の桜井さんはどっちに近いですか?
 
桜井 どっちに近いんでしょうね。私は、外にパーンと言うよりは、心の中でイライラして、それを我慢して我慢して、最後に爆発させるタイプです。
 
ーー怖い。
 
桜井 怖いですよね(笑)。爆発された相手は、“何のこっちゃ”ってなるのかなと。そういう時って、役みたいにワーッて言っちゃうタイプです。しかも感情の整理が上手ウマくなくて、言いながら泣いちゃう(笑)。怒るって、すごくエネルギーを使いますよね。それを表に出すことにも勇気がいるし。でも私は、その勇気をなかなか持ち合わせていなくて。だから後でマネージャーさんに“さっきのですけど“って話したりして。マネージャーさんは受け止めてくれるし、頷いてくれます(笑)。
 
ーー美帆ってわりと感情をストレートに言うキャラクターだと思いますが、桜井さん自身は落ち込んだ時とかイライラした時に、どうやって気分転換していますか?
 
桜井 落ち込んだ時は、あえて徹底的に落ち込むという方法を取っています。悲しい曲をいっぱい聴く。例えば、back numberさんが好きなんですが、失恋ソング系の「fish」や「思い出せなくなるその日まで」とかを聴きます。そういう曲を聴くと、失恋していないのに失恋した気分にさせられて、余計落ち込んだりしそうじゃないですか(笑)。でも、無理にテンションを上げようとするより、私的には徹底的に悲しくなった方が、次の日すっきりしますね。
 
ーー最近の出演作では、今までとは全然イメージが違う役どころを連続してこなしてらっしゃいますが、役作りへのアプローチを変えたとか、何か変化はあったのでしょうか?
 
桜井 ご一緒させていただく素敵な先輩俳優さんたちを見ていく中で、少しずつ変わっていった部分はあるかもしれないです。でも、具体的に何が変わったのかっていうのは、正直、自分の中でもよくわかっていなくて。ただ、最近本当にいただける役の種類が変わりました。『死神バーバー』は、2年前に<138億年未満>という舞台をやったんですけど、それを観に来てくださったプロデューサーさんとのご縁で出演することになりまして。2026年4月期のテレビ朝日金曜ナイトドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』も、今年の頭に出演した舞台<シャイニングな女たち>を観てくださったことがきっかけで出演することになったんです。だから、20代で一生懸命やってきたことが、少しずつ面白い役に繋がっている感覚はあります。それはすごく喜ばしいし、やりがいもある。重要な役を任せていただけるからには、“任せてよかった”って思ってもらえるように頑張りたいですし、自分自身も高い熱量で作品に挑めているので、とても充実しています。
 
ーー今回の撮影現場は、どんな雰囲気だったのですか?
 
桜井 今回は時期が真夏だったこともあって、暑さで体力が削られる現場でした。技術チーム——カメラマンさん、音声さん、照明さんは同世代だったんですが、同世代の人たちが熱量高く作品を作る現場って、私自身、初めてで。技術さんって、もう少し年齢が上の方が多いイメージだったので。同世代の方たちが、すごく楽しそうに撮るんですよね。“ここから撮ったら面白いんじゃないか”ってワクワクしながら話していて、それを後ろでいまおか監督が“あー、いいんじゃない?”って言っているみたいな(笑)。とにかく熱量も士気も高かったです。みなさん、それぞれの持ち場で全力を尽くそうとしている現場だったので、私も芝居でいいものを見せたいと思いました。あと、撮影期間が1週間くらいだったので、ほとんど寝ずに朝から晩まで撮る日もあって、なんだか一瞬でしたね。夢でも見ていたんじゃないかっていう。死神だけに(笑)。
 
ーー今回、美容師さんの役でしたが、桜井さんは普段は“切ってもらう側”だと思います。普段とは逆側の役を作るにあたって、何か気をつけたことはありますか?
 
桜井 実際に髪を切るシーンがあったので、マネキンとソーイングセットをお借りして、家で練習しましたが、手を返して、ハサミの輪っかに指を通さずに切る動作が難しかったです。ハサミの穴に指を通していると、“嘘だってバレちゃうよ”って言われて。しかも実は、撮影する数日前にバスケをしていて突き指しちゃって……。でも、ちゃんと動かせたので、そのことはあまり言わなかったです(笑)。
 
ーーこの作品を観る方に向けて、ぜひここを楽しんでほしいというポイントがあれば教えてください。
 
桜井 日穏くん演じる死神のサクマがとても魅力的なんです。死神ってちょっと怖いイメージがあるじゃないですか。でも、この作品で描かれている死神は、ちょっと人間っぽいというか……。
 
ーー死神感があまりないです(笑)。
 
桜井 ですよね? それが可愛くて。上司に怒られているサクマだったり、ダメだって言われているのに、すごく人間に寄り添っちゃう心優しいところとか。そういう“可愛い死神たち”を観ているだけでも楽しいと思うし、死神目線でこの映画を観ていると、“人間って愛らしいな”って思えると思うんです。自分も人間なのに(笑)。だから、すべての人を肯定してくれる作品になっていると思うので、ぜひ楽しんで観ていただきたいです。
 
ーー最後に、撮影中に食べた美味しいものを教えてください。
 
桜井 本当に猛暑の中で撮ってたので、自販機のアイスです!
 
桜井⽇奈子
 

映画『死神バーバー』

 
出演:桜井日奈子 日穏
岡部 大 平井亜門 猪塚健太 佐久間祥朗
河屋秀俊 武田 暁 山脇辰哉 細井じゅん
坂巻有紗 日高七海 光嶌なづな 荒井啓志 佐々木ほのか
山下敦弘 川上さわ 守屋文雄 森蔭晨之介 西山真来
工藤 遥 宇野祥平 / 美保 純
 
桜井日奈子 日穏
岡部大 平井亜門 猪塚健太 佐久間祥朗
河屋秀俊 武田 暁 山脇辰哉 細井 じゅん
坂巻有紗 日高七海 光嶌なづな 荒井啓志 佐々木ほのか
山下敦弘 川上さわ 守屋文雄 森蔭晨之介 西山真来
工藤遥 宇野祥平 美保純
 
監督:いまおかしんじ 脚本:谷口恒平 
主題歌:Furui Riho「太陽になれたら」(LOA MUSIC / PONY CANYON)
音楽:大槻美奈 撮影:達富航平 照明:及川凱世 録音・整音:三門優介 原案:梅木陽一
企画・キャスティング:直井卓俊 製作: 『死神バーバー』製作委員会 制作プロダクション:レオーネ
製作幹事:SPOTTED PRODUCTIONS ポニーキャニオン
 
©『死神バーバー』製作委員会
 
2026年6月26日(金) 新宿武蔵野館ほか全国順次公開
メディア
アーティスト

RANKING!

人気記事