発表当初より“夢の会場”として掲げてきたこのステージに、7人が立った。7回目のワンマンライブ。それは数字の積み重ねであると同時に、グループの現在地を示す公演でもあった。
タイトルが浮かび上がり、SEが鳴る。白い照明が走り、歓声が一斉に広がる。
1曲目は「夏Embrace」。冬公演であえて“夏”を掲げる選曲。広いステージを大きく使ったフォーメーションと迷いのない動き。夢の会場に挑むというより、この会場に立つ準備をしてきた姿だった。
「LOVEバケーション!!!」では客席の腕が揃い、ホール全体が同じリズムで揺れ始める。「桃色ジュテーム」では深いピンクの照明の中、可憐さと芯の強さを見せる。
MCでは“りんか”が“ついにやってきました、カナデビアホール!!!”と声を上げる。“りりあ”は“夢を見ている感じ”と語り、“ことは”は“緊張しています”と率直に伝える。だがパフォーマンスから伝わるのは不安よりも安定感だった。
新曲「わたし、すてき、きれい」で新しい表情を提示し、「初恋アニバーサリー」では空間を落ち着かせる。「コタエアワセ」ではメンバー同士の視線が自然と重なり、「サンタクロースじゃ物足りない」では客席へ降りて距離を縮めた。
“花いろは、みんなにとってどんな存在ですか?”
フロアの視線を集め、リーダーとして“花いろは”は、“みなさんの心の支えになっていたら嬉しいです”と伝える。
続いてメンバーそれぞれが自分にとって“花いろは”は、どんな存在なのかを語る。
りんか 奇跡の出会いをくれた大切な居場所
まいな 自分らしく輝けた場所
ひめの アイドルとしての自分を認めさせてくれた場所
まきほ 自分が輝ける場所
あみな 自分の花が色づいて咲き誇れる場所
りりあ 人生で自分のあり方を考えるきっかけ
ことは 憧れていた王道アイドルそのもの
特別な演出はない。それでも、ここまでの積み重ねが静かに伝わる時間だった。
LEDには花いろはの歩みが映し出される。
デビュー当時の映像、初期体制でのライブの断片。スポットライトが当たり、初期メンバーが登場する。「ラビニュー!」のイントロとともに歓声が上がる。始まりの時間がこの大きなステージに再び立つ。続く「君想い桜」。桜色の照明がホールを包み込む。ファンへ感謝を伝える楽曲が、丁寧に届けられる。歌い終えると、初期メンバーは手を振りながらステージを後にする。
映し出されたのは「君きらり」のMVメイキング映像。
撮影の様子、リハーサルの風景、笑顔の断片。SEではなく、まず映像で“今”を提示する構成。
映像がフェードアウトし、照明が立ち上がる。
中央に立つのは現メンバー。
イントロが鳴り、「君きらり」が始まる。
同じステージ。立つ人は違う。
それでも、花いろはという時間は途切れていない。
「夏恋バーケーション!」で再び会場を揺らし、「流星ストリングス」で空間を引き締める。
「ありがとう以上の言葉を」では客席の手が自然と揃い、「花色ファイト!!」で熱量を高め、「トキメキの鍵」でピークへ。
本編ラストは「ナナイロMoment」。
7色の照明が階段を照らし、7人が横並びになる。
到達を誇示するのではなく、今ここに立っている事実を示す景色だった。
MCになり、感謝を伝え、そしてLEDに、サプライズの文字が映し出された。
“2026年6月30日(火) 2ndアルバム 発売決定!!”
続いて表示されたのは、
夏の恒例イベントが再び動き出す。会場の熱がさらに上がる。
“2026年秋「東名阪 大型ツアー」開催決定!!”
ホールが揺れるほどの歓声。Kanadeviaホールで終わらない。ここから広がっていく未来が、具体的な日付とともに提示された。
発表を終えたあと、メンバーは何度も“ありがとう”を重ねる。感謝だけで終わらせない。その先へ進む意志を、言葉ではなく予定で示した瞬間だった。
再び「ラビニュー!」で笑顔を届け、最後は「ブルーサマー」。
深い青の照明の中、ひめのが言う。
“ここまでついてきてくれてありがとう”
くり返された“ありがとう”。それは過去への感謝であり、これからも一緒に進んでいく約束の言葉でもあった。
それはゴールではない。
7thワンマンライブ<君と咲かせた世界>。
そのタイトル通り、この夜に咲いた景色は、確かに“君と”作り上げたものだった。
花いろはの時間は、ここからも続いていく。
文:植竹倖聖