
撮影:小坂茂雄
コレサワが、6月16日(火)に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)にてツーマンライブ企画<コレサワ LIVE 2026 きみとデート vol.3>を開催。今回は、彼女が影響を受けたというクリープハイプを迎えた。
開演に先立ち、コレサワがステージ上で挨拶。“このイベントは、私が好きなアーティストをデートに誘うというコンセプトで、今回が3回目の開催となります。こんなに大きなホールでできるのが本当に嬉しいです”と喜ぶ。
敬愛するバンドとの共演を前に、少し緊張した面持ちも見せつつ“それではみなさん、楽しむ準備はいいですか? 本日のデート相手は、クリープハイプです”と紹介し、会場は大きな拍手に包まれた。

撮影:小坂茂雄
場内が暗転すると、スポットライトの下で尾崎世界観(Vo,Gt)が「ナイトオンザプラネット」をアカペラで歌い始め、観客を一気に引き込む。そこに小川幸慈(Gt)のファンキーなギターをはじめ次第にバンドサウンドが重なり、艶やかな空間を作り上げていった。

撮影:小坂茂雄
尾崎が“コレちゃんとデートするなら、どこに行きたいかというより、まず「何を食わせてやろうか」。俺は取っておきの店を知っている。生レバが食える店を”と述べ「生レバ」へ。長谷川カオナシ(Ba)の硬質なベースサウンドや小泉拓(Dr)の重厚なドラムが響き、うねりのあるアンサンブルで客席の熱を高めた。続く「キケンナアソビ」では、コレサワのファンなら思わず反応してしまうようなフレーズも飛び出す。しかも“今日は大事なデートだから徹底的に遊んであげる”という歌い替えもあり、フロアを沸かせた。

撮影:小坂茂雄
長谷川がメインボーカルを務める「月の逆襲」を演奏後、尾崎は“これまで数えきれないくらい、デートをした。何回も何回も。はじめは新鮮な気持ちで、少しずつ慣れていって、いつからか飽きてきた”と、滔々と語り出す。慣れきった関係の中で恋人との繋がりを信じようとする――小説のようなモノローグが、観客の想像力をかき立てる。そして“こんなに近いのに、あんなに遠い、この背中”を合図に《隣で寝てる君の背中をぼんやりと眺めていたら》と歌い始め、「タヌキネイリ」へ突入。静かな語りから一転、躍動感あふれるサウンドで熱量を一気に引き上げた。

撮影:小坂茂雄
その後のMCでは、<「尾崎世界観の日 特別篇」2019>で共演した際、打ち上げで5人で過ごしたエピソードを振り返る。“コレちゃんとの思い出と言ったら、昔ライブに出てもらった時に、「私、明日誕生日なんです」って言うから「せっかくだから、このまま日付が変わるまで行こう」って言って、2軒目まで連れて行って。あれが、世界で初めて認定されたパワハラだよね(笑)”と尾崎が自虐し、笑いを誘う。“だいぶ時間は空きましたが、またこうやって一緒にライブをやれて嬉しく思います”と語り、「ラブホテル」「身も蓋もない水槽」で会場のボルテージを高めた。
ここで“次の曲、あの人が出てきますよ”と尾崎が煽るも、客席は予想外に大人しい反応。そこへコレサワが“スベってるじゃないですか!”とツッコミながら登場し、会場を和ませる。
2019年の出来事についてコレサワは「全然迷惑じゃなかったです。逆に恋バナばかりしちゃって、申し訳なかったなと思って(笑)。うれしかったです」と笑顔で振り返った。
また、登場シーンで客席の反応が控えめだったことについて、 自身の緊張がファンに伝わり“みんなも緊張してるんじゃないかな”と推察するコレサワ。尾崎は“確かに、デートの終盤って駅の改札とかで険悪になってるカップルがいるよね。あれが好きで(笑)”と独特な視点を披露したのち、「愛の標識」をコラボ。コレサワは犬のぬいぐるみを抱えながら《家の犬まで一緒に愛されてると思ってたよ》と歌唱し、笑顔でステージを駆け回るなど、楽しそうにパフォーマンスする。ふたりのデュエットに会場は再びヒートアップして、一体感を高めた。

撮影:小坂茂雄
コレサワがステージからはけると、尾崎は“歌っている時に、あんなに周りをチョロチョロされたのは人生初でした”と笑みを浮かべる。彼女と長年親交があり、その活動を見守り続けてきた尾崎。
満員の客席を前にこぼした“もともと人気はあったけど、ブレイクしてよかったね。コレサワはみんなに届いて良かったなって思います”という言葉には、彼女の活躍を喜ぶ気持ちが滲んでいた。
また、自身との共通点について“土台の部分では近いところがあるなと思ってて。出してるものは違うかもしれないけど、原材料は同じというか。今日も、どうせだったらコレサワができないことをやりたいなと思ってライブをしていました。最後にもう1曲、そういう曲を死ぬ気でやって帰ります”と語り、「欠伸」へ。感情を吐き出すような歌や武骨なロックンロールサウンドで、フロアを圧倒した。
転換中には、ラジオ企画『きみとデートRadio』を放送。クリープハイプへの事前アンケートをもとに、コレサワがトークをくり広げる。オファーを受けた際の心境について、尾崎は“「ついに来たか! やってやるよ!」と思いました”と回答。それに対しコレサワは“急に緊張してきちゃった(笑)。でも、そう思ってくれたのが嬉しい”と喜ぶ場面も。 その後はオリジナルのインスト曲がBGMとして流れ、コレサワのステージへの期待を高めていく。

撮影:小坂茂雄
場内にSEが鳴り響くと、ピンク色のペンライトがフロアに灯る。そしてサポートのひぐちけい(Gt)、U(Dr)、なかむらしょーこ(Ba)、北村真奈美(Key)に続いて、コレサワがデート服を思わせる膝丈のフリンジワンピース姿で登場。モノトーン調のシックな装いは、普段のガーリーなイメージと異なり、どこか大人びた印象だ。それでいて、背中のピンクの編み上げリボンやきらめくティアラやネックレス、銀色のシューズが華やかさを添え、可憐さものぞかせた。

撮影:小坂茂雄
“どうも、コレサワです! 楽しんでいきましょう”と挨拶すると、2026年5月に配信リリースした最新曲「ずっと1番にしてね」や、デートを題材にしたこの日にピッタリの楽曲「スーパーでデート」の温かなサウンドで会場を包み込む。曲間のコール&レスポンスでは恒例の“誰とライブに来たかアンケート”を実施。“今日、とってもとっても楽しみにしてきた人~?”という問いに会場中の観客が手を上げる中、コレサワは“はーい!”と誰よりも高く手を挙げていた。
その後も定番曲の数々を織り交ぜながら、合唱やクラップで会場の心を1つにする。「デートの前の夜に」のコール&レスポンスでは、コレサワのファンクラブ『コレパーク』と、クリープハイプのファンクラブ『太客倶楽部』の両方に加入している観客が数多くいると判明し、フロアの熱量の高さをうかがわせる。そんなオーディエンスを唸らせたのが、「右耳のピアス」だ。歌詞のモチーフからクリープハイプの「左耳」を想起させるこの楽曲。この日は曲中で「左耳」のイントロリフを奏でる場面もあり、ツーマンライブならではの演出に大きな歓声が上がった。
コレサワと尾崎の初対面は、2015年に下北沢DaisyBarにて行われた<尾崎世界観の日>だったという。“その時から尾崎さんは「何かあったら一緒にやろうね」って言ってくれたんだけど、当時はZeppさえ埋められないくらいお客さんが少なかったから、今やっても太客のおんぶにだっこになるなと思って。だから「Zeppツアーができるぐらいのアーティストになったら誘おう」って決めてたんです。去年のZeppツアーと日本武道館が決まった時に、今だったら自信を持って誘えるなって。少し時間がかかってしまったんですけど、クリープハイプ、出演してくれてありがとうございました!”と感謝を伝えると、客席から温かな拍手が送られた。

撮影:小坂茂雄
さらに“出会ったときから、尾崎さんが好きって言ってくれた曲があって。好きな人に好きって言ってもらった部分って、ずっと覚えちゃう。この曲を大事にしたいです”と、インディーズ時代の楽曲「笑えよ乙女」を披露。会場が静寂に包まれる中、アコースティックギターを爪弾きながらポツリポツリと言葉を紡ぐコレサワ。その歌を、観客はじっと聴き入る。曲の後半ではバンドサウンドも重なって、その歌声はさらに力強さを増し、雄大かつ感動的なムードを作り上げていた。
疾走感あふれるサウンドを届けた「ライブ終わりに」から、ライブは終盤へ。8月に5thミニアルバム『PINK BEARS』を配信リリースすることを発表すると、転換中に流れていたBGMが収録曲のインストバージョンだったことも明かした。

撮影:小坂茂雄
振り付けで一体感を高めた「浮気したらあかんで」を経て、来場者に感謝の気持ちを伝えるコレサワ。
“みなさん、人生楽しんでますか? ここに来てる時点で、だいぶ人生楽しんでるよな! でも、この会場を出たあとも人生楽しめますかー!? みんなの人生が死ぬまでハッピーでありますように!”と述べ、「♡人生♡」で締めくくった。
念願叶って実現した、憧れのクリープハイプとの共演。普段のワンマンライブとは異なる空気の中、コレサワは持ち前のエネルギッシュなパフォーマンスで双方のファンを魅了した。クリープハイプを交えた記念写真の撮影を終えると、コレサワは“またご一緒できるように頑張ります”と再会を誓う。両者の深い敬意が感じられた“デート”は、大団円で幕を閉じた。