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乃木坂46 中西アルノ、吉柳咲良との「Actually...」共演に「あぁ、ライブの時の自分を見ているみたい」『Spicy Sessions』レポート&インタビュー
2026.03.20 10:20
CS放送『TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画』にて毎月放送されている、ゴスペラーズの黒沢 薫と乃木坂46の中西アルノがMCを務める音楽番組『Spicy Sessions』(スパイシーセッションズ)。3月21日(土)放送『Spicy Sessions with 吉柳咲良』の収録を、ゴスペラーズをデビュー当時からよく知り、数々のアーティストのオフィシャルライターを務める音楽ライターの伊藤亜希が取材。番組の魅力を紹介するレポートの第13弾を、MCのインタビューと合わせてお届けする。
■収録レポート
音楽が目の前で形になっていくーーその瞬間を提示し続け、セッションの素晴らしさを伝える音楽番組『Spicy Sessions』。MCを務める黒沢薫と中西アルノが、ゲストとその場で楽曲を組み立てていくこの番組は、これまでにジャンルを越えた歌との出逢いを生み出してきた。今年に入ってからのリニューアルで、セッションする楽曲は事前に決めているが、本番の雰囲気やアイディアで、アレンジや歌い方が変わる。納得がいかなかったら、再び歌う。失敗した場面もそのまま放送される。ジャンルを横断する楽曲を支えるのは歌い手だけではない。キーボーディスト・佐藤雄大が率いるSpicy Sessionsバンドの演奏も、楽曲に新しい表情を加える重要な役割を担っている。MC、ゲスト、そしてバンドが互いの音を聴きながら、自分の解釈で鳴らした音を楽しんでいる。だから観ている方も、こんな喜びを改めて噛みしめるのだーー音楽って楽しい、音楽が好きで良かった、と。
放送回数としては25回目となる収録。バンドの演奏とともにMCの2人が登場し、2026年も多彩なアーティストをゲストに迎える予定と、黒沢が話し出す。共演してみたいジャンルの方はという問いに、中西は“演歌を歌われる方。なかなかご縁がないので”と回答。黒沢は同意しながら、“バンドのボーカルの方をお迎えしたい”とも語った。
ゲストは、俳優・声優・歌手として活躍する吉柳咲良。2016年の<ホリプロタレントスカウトキャラバン>で、当時の歴代最年少となる12歳でグランプリを受賞し、翌年にはミュージカル<ピーター・パン>で10代目ピーター・パン役に抜擢され、ステージデビュー。ミュージカルのほか、ポップスやR&Bなど幅広いジャンルの楽曲にも挑戦しているアーティストだ。そして、中西アルノの大ファンでもあり、『Spicy Sessions』もよく観ているという。観客の拍手に迎えられて登場した吉柳は、前しか見ない、横(の中西)を見られない……とポツリ。客席の中にいる同志たちから共感の笑いが起こる。吉柳が“自分の内側にある想いを壊す。新しい自分を肯定する曲”と紹介し、歌唱したのは、オリジナル曲「Bad Gyal」。イントロのフェイクから、R&Bテイストが漂う1曲だ。低音域から、ホイッスルボイスのような超高音まで、滑らかに移動していく歌唱。ミュージカルとは違うアプローチで、声の芯と繊細さが同時に感じられた。“カッコいい! カッコいい!”と感嘆する黒沢。中西は“レンジの広さがやばいです。しびれました”と感動を言葉にした。
トークコーナーでは、吉柳が視聴者として『Spicy Sessions』の魅力を表現。これまでの放送で印象に残った曲を聞かれると、映画『グレイテスト・ショーマン』の主題歌「This Is Me」(2025年12月放送)、さユりの「フラレガイガール」(2025年2月放送)、秦基博の「鱗(うろこ)」(2025年3月放送)を挙げた吉柳。さらに、乃木坂46の冠番組などを普段からよく観ているという吉柳が、中西に“歌っている時とのギャップがすごくて。(普段の番組では)よく転んでらっしゃるイメージが”と言うと、会場は笑いに包まれた。
吉柳が黒沢とのセッション曲に選んだのは、映画『アナと雪の女王』より「とびら開けて」。黒沢が“僕の台詞から歌にいく感じが、まだ困っているわけです”と、珍しく迷いをあらわにする。“僕の緊張、みなさん感じていただけているでしょうか?”と言った後、イントロの台詞を映画とそっくりに再現。会場の笑い声に“え、ダメっぽい? 台詞、もう少し軽くします”と、観客の反応を見ながら、自分の中で着地点を見出していく。吉柳と黒沢の歌声が交差し、丁寧に楽曲の世界を構築。歌唱後に中西は“素敵でした! ディズニー大好きなので、この空間が幸せでした”と称賛した。
再びトークコーナー。吉柳がシンガーとして影響を受けたアーティストについて、MCの2人が紐解いていく。ゲストのルーツを、時には黒沢の解説付きで語られるこの時間は、観客や視聴者の、楽曲に対する解像度を格段に上げる。ゆえに、聴き手は、楽曲の世界に安心して浸ることができるのだ。楽曲に深く浸ると、そこには新しい発見がある。吉柳が“おこがましいと思うんですが、ぜひ、アルノさんと”と選んだセッション曲は、山口百恵の「さよならの向う側」。タイトルを告げると、観客から大きな拍手が起こる。“アルノさんは、きらびやかな歌を歌っている時でも影がある。山口百恵さんと通ずる。私の中では、伝説のアイドル(=山口百恵)と伝説のアイドル(=中西アルノ)”と吉柳が熱弁。吉柳と中西が一緒に歌割りを決めていく。白いライトが光の花びらのように舞う中で、吉柳と中西が歌った「さよならの向う側」。歌い終えた吉柳が“嬉しい!”と声を上げた。黒沢は“すごく良かった! バンドも最高だった! ブレイクも多くて、緊張感のある演奏だったよ”とコメントし、“バンドへも拍手を”とねぎらった。
さらに吉柳が、中西と一緒に歌いたい楽曲をリクエスト。選んだのは、乃木坂46の「Actually...」。客席からは、“お~!”という驚きと期待が入り混じった反応。バンドマスター・佐藤雄大が、このセッションのためにリアレンジ。ゲストの中西への想いに、バンドも音楽で応える。音楽で会話をし、音楽で高揚感を共有し、音楽で想いを返す。セッションとは、音楽でコミュニケーションを取るということを、多面的に示してくれていると改めて思った。中西が“バンドアレンジだと雰囲気が変わるので、すごく楽しみ”と笑顔を見せる。黒沢も“早く聴きたい”と待ち遠しそう。すると、緊張している吉柳に、中西が両手を広げて“ハグする?”のポーズ。以前、ゲストで出演した家入レオが、中西の緊張をほぐすためにしたハグを、今、中西が吉柳に返している。体験したことを経験にして、ゲストや観客に返す。このホスピタリティも、『Spicy Sessions』が放送開始時から持ち合わせていたものだ。ビートと緊張感のあるメロディに、2人の共演によって新しいニュアンスが生まれる。吉柳の真っ直ぐな歌声と、中西のしなやかな歌声が絡み合う。互いの声を聴き合いながら歌うことで、瞬間ごとに表情が変わっていく。中西がこだわった歌割りで披露される、吉柳と中西の特別な「Actually...」をぜひ放送でチェックしてほしい。
ラストは、黒沢と中西の2人でMISIAの「Everything」。黒沢が何曲か挙げた候補の中から、中西が決めたという。その理由を“黒沢さんが、私が選ばないだろうと思っていそうだったから”と中西。優美なピアノのイントロを受け継ぎ、最初に歌い出したのは黒沢。同じメロディを中西は、自身の中では低音域で鳴らしていく。観客が、2人の歌に集中していくのがわかる。曲が終わると、バンドメンバーも観客も、スタッフも、大きな拍手と歓声で2人の歌にレスポンスした。
■MCインタビュ―
最後に、黒沢薫と中西アルノに収録の感想を訊いた。
――「さよならの向う側」で、中西さんがニコニコしながら歌っていたのがとても印象に残りました。
中西 もう、吉柳咲良さんと声を合わせることが嬉しくて。お互い緊張していたから、その緊張感も楽しめたというか。「さよならの向う側」って、別れの歌ですし、本当に伝説のアイドルの1曲だと思うんですけど、せっかくセッションするんだから、別の一面を見せられたらいいなと思っていたんです。
――黒沢さんが珍しく“もう1回、リラックスしてやってみたら?”とおっしゃっていましたね。
黒沢 はい。2人とも緊張していたのが伝わってきたので。ワンテイク目は、それぞれの歌の入りがちょっと強かったと思ったんです。最初が強いと、歌として全体を聴いた時、ちょっとギクシャクするんですよ。で、2人ともそこを歌いながらわかっているだろうな、と思ったんですよね。だから、自然に“もう1回やったら?”って出ましたね。(中西に)2回目のテイクの方が良かったよね?
中西 もう断然! 良かったと思います!
黒沢 お互いがどういうアプローチかっていうのがわかった状態で、もう1回歌うっていうのが大事。特に、ああいう勢いで歌う曲じゃない曲は。
――確かに。バラードでスケールがあり、でも始まりはヒタヒタと……って曲ですもんね。
黒沢 そうなんですよ。バンドのアレンジも、かなりヒタヒタとしたアレンジだったし。で、僕が“もう1回、もっとリラックスして……”って言った時に、アルノさんが“はっ”って顔をしたので、伝わってるな、と。ブレスをたっぷり取って歌ってたもんね。
中西 はい。もう少し余裕をもって、ゆっくりブレスをしよう、と。
――すごいですね。言葉で伝えなくても、細部のニュアンスまで通じているっていう。この番組の歴史を、今、感じました。さて「Actually...」について伺いたいのですが……。緊張感もありましたけど、原曲よりも、中西さんの歌声が優しくなっているのが印象的でした。
中西 そう感じていただけたなら、嬉しいです。少し柔らかくしようと思っていたので。それと、私のライブ映像を観てくださっていると事前に聞いていたので、シャウトの部分はお任せしたんです。パッションをガツンと持ってきて、それを前に出してるっていうところに“あぁ、ライブの時の自分を見ているみたい”と思いました。
黒沢 吉柳さんが言ってたもんね。「Actually...」は、アルノさんは音源ではファルセットだけど、そっちじゃなく、ライブでやってる方にしたって。本当、めちゃくちゃあなたのことを見てるよね。
――歌いながら、“あ、隣に自分がいる”みたいな感じはありました?
中西 本当にそれで(笑)。ライブの時の私を感じるような歌い方で。
――その状態、めっちゃ嬉しくないですか? そんな方がゲストにいらっしゃって、しかも自分のパートを歌っている。
中西 嬉しかったです。
黒沢 アルノさんにとって、初の年下ゲストなんですよ。
――おおお! それであのハグも自然に?
黒沢 良かったよね、あれ。すごく良かった。なんか、この番組の歴史を感じた。
――同じくです!
中西 去年の、確か1月の収録だったと思うんですよ。家入レオさんがゲストで、私が家入さんを好きすぎて緊張してたら、“ハグする?”って、抱きしめてもらったので、私もと思って……やっちゃいました(笑)。
黒沢 いいと思うよ。受け継がれてる。あれは名シーンですね。あのシーンをカットしたら、僕はプロデューサーに異議申し立てしますよ。“何してるんですか!”って(一同爆笑)。
――「Everything」は、アルノさんが選んだ曲だそうですね。
黒沢 そう。収録前のリハーサルで初めて合わせたんだけど、アルノさんがどうアプローチしてくるかは、僕もリハーサルまでわからない。アルノさんも同じ。まずはこんな感じで歌いますけど、アルノさんはどうやって歌いますか? そうきますか、じゃあこっちはこうしましょう……そこから今度はアルノさんが、じゃあ私こう歌いますね……っていうのを歌で会話をする。こういうフレーズでこういうニュアンスでいくんですね、じゃあ僕はこっち……みたいなことを、お互いが言葉にしたり、何回かやりとりしなくても、できるようになってきたんですよね。
――後半、黒沢さんが、1番高い音で歌うところ。本番とリハーサルで違ってたなと思ったんですよ。アルノさんは、隣で歌っていてどう感じていたんですか?
中西 そうですね。リハーサルと本番では、まったく違っていて。
黒沢 そうだね(笑)。
中西 リハーサルの時よりも、ちょっとアクセルを踏んでいる感じだったので、あえて私はあまり行き過ぎないようにしたんです。強くしないように、ソウルフルになり過ぎないように、でも、自分なりに起伏をつけていこうって考えながら歌っていました。
――「Everything」って、曲が強いじゃないですか。誰が歌ってもR&B文脈が出てくるんじゃないかと思っていたんです。でも、2人のセッションは、そうじゃなかった。そこに驚いたんですよ。
黒沢 確かにね。R&B文脈を前に出すこともできるし、フレーズ的には実際はそうだと思うんだけど、1番重要なのが、歌うまの人が頑張って歌ってますってならないことだった。「Everything」をアルノさんが選んだってことは、そうはならないと思ったし。もっとベタベタにハモってもいけるし、アルノさんも、もっと崩すこともできるんだけど、そうじゃない形で歌いたかった。「Everything」って、メロディとコード進行がすごく美しい曲なんです。だからそのままでも、しっかり歌として聴こえるはずだし、やりすぎちゃうと、デュエットにならない。デュエットにした状態で、ロマンチックにしなきゃいけない。だから僕は、ロマンティックなテイクを目指していました。あとアルノさんが歌うと言ってくれた曲だから、歌ってくれるでしょ、と。じゃあこっちも歌うだけだと思ったんです。だから、フォローもしない感じでいきましたね。
――確かに、潔いくらいにフォローしてなかったですね(一同笑)。
黒沢 別にフォローする必要もないから。もうそういう段階にはいない。アルノさんのすごいところは、本番に向かって照準を合わせて、本番に1番いい状態を持ってくるんですよ。これが本当にびっくりします。
中西 そこは、自分がアイドルを通して培ったものなのかなって思っていて。舞台があって空っぽのライブ会場で歌うのと、いっぱいのペンライトが光っていて、声援があるのとは全然違うので。やっぱり本番を1番大切にしたいと思うし……なんかでも、私もけっこうその……最近、本番に強いタイプっていう自負がちょっとだけあるんです。
黒沢 いいです、その感じ。
中西 人に背中を押してもらうことに抵抗がなくなったというか、押してもらう良さを知ったからなんじゃないかと思うんです。
黒沢 観客なんて関係ないじゃなくて、観客に自分のテンションを上げてもらうっていうね。
中西 そうですね! そのためにも、こっちも観客を盛り上げる、みたいな。
黒沢 そうそう! 自分を上げてもらうためには、自分がお客さんを上げないといけないから。本当に、やっぱり人前の方が、アルノさんは、より輝く。すごっ。カッコいい! 僕もずっとそうありたいです。
『Spicy Sessions with 吉柳咲良』
放送日時:2026年3月21日(土)23:30〜深夜0:30
放送チャンネル:CS放送TBSチャンネル1
番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/series/yRNA2/
放送チャンネル:CS放送TBSチャンネル1
番組公式サイト:https://www.tbs.co.jp/tbs-ch/series/yRNA2/
番組公式Instagram:https://www.instagram.com/spicysessions/
推奨ハッシュタグ #SpicySessions
■配信視聴
この番組は『スカパー!番組配信』にてPC、スマートフォン、タブレットでも視聴可能。
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