2026年7月31日、ASOBISYSTEM所属の8人組アイドルグループ・Toi Toi Toiの山田せいあが、30歳の誕生日を迎えた。
選ばなかった道への後悔、周囲との差に苦しんだ日々。それでもステージに立ち続ける中で、彼女は自分なりのアイドルの在り方を見つけてきた。
決して順風満帆ではなかった12年間のアイドル人生を振り返りながら、30歳を迎えた今だからこそ見える自身の強み、そしてこれから目指すアイドル像を訊いた。
すぐに落ち込んでしまって、傷だらけだった
――30歳を迎えられましたが、どのような心境でしたか?
山田せいあ(以下、山田) “ついに”という感じでした。今までまったく(30歳になるという)実感がなくて、気持ちは23歳くらいで止まっていました(笑)。誕生日当日が<TIF 2026>の初日で、メンバーやファンの方と一緒に過ごしました。
――アイドル活動も12年目とのことですが、この12年間でアイドルシーンはどのように変化したと感じていますか?
山田 本当にSNSの時代になったなと感じています。バズることがすべてというか。また、コロナ禍を通じてコンセプトがガラッと変わったアイドルさんが多い印象もあって、今までとは違いパフォーマンスを重視したグループが増えたと思います。最近は、また少し昔に戻ってきているなと。ライブで盛り上がるような楽曲が多く、ライブという“生モノ”を大事にしている傾向があると思います。本当に今のアイドルさんはやることが多くて、大忙しだと思いますね。
山田 TikTokにはすごく時間を費やしています。アイドルは可愛いが当たり前じゃないですか? ですので、可愛く仕上げた顔を最初に大きく載せて、ダンスを始めたり、投稿する時間帯も気にしています。流行りの曲をいち早くキャッチするのも重要です。事務所の先輩方の曲がすごくバズるので、アイドルとして近くにいるからこそトレンドは押さえられているつもりです。
――アイドル活動の中で1番挫折した経験を教えてください。
山田 挫折はたくさんあるな〜(笑)。1番の挫折は、以前所属していたアイドルグループが解散したあと、少しお休み期間があったのですが、その時にほかの事務所から声をかけていただいたりしていました。その時、加入しなかったグループが今、すごく人気のグループになっていて……。そのグループに入らず、別の道を選んだ時点で、自分はもう運を使い切ってしまったと感じました。いろいろと考えさせられましたし、少し挫折しました。“もういいかな”“自分はあそこまで上に行けないから、今が楽しければいいか”と、その時は思っていました。
――SNSやテレビを観ることも、嫌になったのでは?
山田 年末の大きな歌番組は、本当に観られなかったです。“自分がいたかもしれないのに”と考えてしまったり、“少し前まで一緒に対バンをしていたのに、こんなにも差が出てしまうのか”と思って、すごく悔しかったです。
山田 時間はかかりましたが、本質を見つけられました。“今が楽しければいい”と心から思っていて、それが結果的に運や上を目指すことに繋がっていくということは、“売れたい”と思っているだけじゃ見えなかった部分だなと。
――売れたい気持ちと楽しむ気持ちのバランスが大事なのですね。
――山田さんは幼い頃からアイドルを目指していたのですか?
山田 もともと私はアイドルになりたかったわけではなく、“有名人になりたい”“テレビに出たい”という気持ちの方が強かったです。
山田 自分の名前には、“アジアの星になってほしい”という想いが込められているので、スターになるまでは死ねないし、“使命を果たさなければ”と思っていたのですが、アイドルに興味はなくて。アイドルとしては致命的な、集団行動が苦手ということもありますし……(笑)。人のことを考えすぎてしまう性格なので、空気が悪くなることが、本当に耐えられない。“どうにかしなきゃ”と思えば思うほど、より深く考えて苦しくなるので、最初は1人で活動したいと思っていました。それこそ、浜崎あゆみさんに憧れていて、本当にあゆになりたかった……(照)。どうにかきっかけを作ろうと思って、全国的に活動するアイドルオーディションに応募して。当時はまだ未成年で親に内緒で受けたのですが、受験と時期が重なり最終選考を受けに行くための飛行機のチケットは買ってもらえず、諦めました。そのあとは、普通の高校生活を送っていたのですが、友達がご当地アイドルを始めて。それを見て違う事務所ではありますが、私も北海道でアイドルを始めました。
――そこでの活動は自分のアイドルキャリアにおいて、どのようなものでしたか?
山田 すべてが新しかったです。アイドルの衣装の着方やファンの方との接し方など、本当に学びのある毎日でした。でも、自分自身、心のキャパシティがまだ狭かったので、すぐに落ち込んでしまって、傷だらけでしたね。

山田せいあ(Toi Toi Toi)