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あの、叶えたい願いは「退去届の手続きをしたい」短篇アニメーション映画『しらぬひ』公開記念舞台挨拶に登壇
2026.08.24 10:19
短篇アニメーション映画『しらぬひ』の公開記念舞台挨拶が、8月23日(日)に東京・新宿バルト9にて実施され、声優を務めたあの、花澤香菜、三木眞一郎と、片野坂亮監督が登壇した。

『しらぬひ』は、『君の名は。』『すずめの戸締まり』などを手がけてきたコミックス・ウェーブ・フィルムの最新作となる短篇アニメーション映画。監督は、商業アニメーション映画初挑戦となる新鋭・片野坂亮が務める。

物語の舞台は、1996年、夏の終わり。熊本の海辺の町で暮らす10歳の少年・湊は、酒に溺れる父とふたりきりで、息をひそめるように生きていた。唯一の心の拠り所は、弁天島に現れる少女の神さま“べんちゃん”。しかし、児童保護施設への湊の一時保護が決まり、べんちゃんとの別れの時が迫る。湊は、ひとつだけ願いを叶えてくれるという海に浮かぶ不思議な光<しらぬひ>に祈りを捧げるが、父への憎しみが募るにつれ、その“祈り”は取り返しのつかない“呪い”へと姿を変えていく。

満員御礼で実施されたこの日、約3年の歳月をかけて初の商業作品を手がけた片野坂監督は、コミックス・ウェーブ・フィルムとのコラボレーションについて“まさに職人技! 日本のアニメーションは職人の技に支えられてると改めて感じました”と語り、クオリティの高い作品が生まれたことに胸を張った。

複雑な家庭に育つ10歳の少年・湊を演じたのは、あの。少年役の声を務めるのは初めてで、オファーには驚いたというが、“できると思ってくれているからオファーしてくださった。僕に可能性を少しでも感じてくれている、というところがすごく嬉しくて。その期待に応えたいと思った”と、出演時の想いを明かした。

湊には自身と重なる部分もあったという。あのは“オファーをもらったのは僕の声もあるけれど、湊と重ねてくれたのかなと思うと、すごくやる意味を感じました。練習のために家でセリフを読むたびに毎回泣いちゃって涙が止まらなかった”と告白。“これはアニメーションですが、どこかに湊のような子どもが絶対にいると思うので、生半可な気持ちでやってはいけないと思った”と、役に向き合う上での覚悟を語った。

片野坂監督は、クリエイターとしてのあのにリスペクトを込めてオファーしたとし、“あのさんは“演技”としてではなくて、湊として生きてくれた”と絶賛。湊を支える少女の神さま・べんちゃんを演じた花澤香菜も、“本当にあのさんから声が出ているの!?と思うくらい少年で、孤独を抱えている。どっぷり浸り込むようにお芝居をされていて、それがすごく衝撃的というか、カッコいいな!と思いながら一緒にアフレコをしていました”と振り返った。

息子への愛と狂気の二面性を持つ父・マサルの声を務めた三木眞一郎も、あのの声優としての存在感に驚いたという。“声だけではなく存在が、魂が、声に乗っている”と称賛し、これから本作を観る観客に向けて“みなさんにも納得していただけるはず”とコメントした。あのも三木とのアフレコについて、画の中の距離感で怖かったと語り、“僕は声を当てているというよりも、湊としてそこにいた、という言い方が正式な感情の在り方でした”と振り返った。

また、本作に登場する“ひとつだけ願いを叶えてくれる”「しらぬひ」にちなんで、登壇者がそれぞれ“ひとつだけ叶えたい願い”を発表。あのは“退去届の手続きをしたい”と切実な願いを挙げ、“家が3つあって退去がなかなかできない。なかなかの時間と労力がかかって苦手で。今は退去をとにかく……”と明かした。これに対して、声優陣からは“マネージャーさんにやってもらうとかは?”“信頼できる業者さんに頼めば?”といった現実的なアドバイスも飛び出した。

一方、パンが大好きという花澤は“手に取るパンが全部焼きたてならいいのに”と妄想。三木は“スーパーカーを1台買いたい! 自分のお金ではなくて”と会場を笑わせ、片野坂監督は“完成に生命力を使い過ぎて『しらぬひ』が完成してからずっと咳が止まらなくて……。止めたい”と、やや心配になるような願いを口にした。

“どんな10歳だったのか”という問いに、あのは“大人しくて引っ込み思案で、人とほぼしゃべれないけれど、それなりに楽しく生きていた。あとは30分くらい棒にぶら下がって我慢することをしていました”と個性的な幼少期を回想。その経験について“我慢強さや根性は今に活きている”と語った。

最後に三木は、“本作は画も素敵ですし、音も楽曲も素晴らしいです。みんなの想いが詰まったフィルムですので、いろいろなところに注目して観ていただけたら嬉しいです”とコメント。花澤は、湊が父親に対する想いを吐露する場面を挙げ、“そこのお芝居が本当に素晴らしいので注目です”と、あのの演技を見どころに挙げた。

あのは“みなさんからどんな感想をいただけるのかすごく楽しみです。観終わった際に必然的に自分自身と向き合える映画にはなっていると思うので、ぜひとも感想を教えてほしいです”と呼びかけ、片野坂監督は“これからみなさんは『しらぬひ』を目撃した人になります。その目撃したものを今後の生活の中でどう考えるか、というのを鑑賞後に感じて欲しいです”とメッセージを送った。

映画『しらぬひ』は、新宿バルト9ほか全国の劇場にて順次公開中。
 

映画『しらぬひ』イベント概要

日時:2026年8月23日(日)
場所:新宿バルト9
登壇者:あの、花澤香菜、三木眞一郎、片野坂亮監督
 

ストーリー

1996年、夏の終わり。酒に溺れる父のもとで生きる10歳の少年・湊は、“ひとつだけ願いを叶える光”<しらぬひ>に祈りを捧げるが、その願いは、やがて呪いへと変わっていく――。
 

『しらぬひ』

 
©2026 片野坂亮/しらぬひ製作委員会
 
出演:あの、花澤香菜、三木眞一郎
原作・脚本・監督・作画監督:片野坂亮
音楽:梅林太郎
主題歌:青葉市子「しらぬひ」(hermine)
美術監督:小林海聖
色彩設計:山本智子
撮影監督:津田涼介
制作プロデューサー:濱﨑周平
プロデューサー:新井修平
アニメーション制作:コミックス・ウェーブ・フィルム
製作:しらぬひ製作委員会
配給:ギャガ

公開中

公式サイト:https://gaga.ne.jp/shiranuhi/
公式X:https://x.com/shiranui_movie
 
©2026 片野坂亮/しらぬひ製作委員会
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