昭和・平成・令和のアイドルのオマージュを時代ごとに撮った(江嶋)
――今回の写真展は、どういうコンセプトなんですか?
江嶋 今回もベースは“若さと老い”ですが、2026年1月9日が、私が芸能界に入って15周年のタイミングなんです。30歳になる節目でもあるのですが、人生の半分くらいはアイドルとして生きてきたというのもあって……卒業してすぐは“元アイドル”って言われるのが、ちょっとつらかったんです。会社を始めたり、ちゃんと社会に出て自分で仕事をしているのに、“元アイドル”がつきまとってくるというか、そういう見られ方をされてしまうというか……。それにちょっと苦しんでいた時期もあったので、“元アイドル”っていうのは(自分からは)言わないでおこうみたいに思っていたんです。でも、それも今年(2025年)に入って変わって。自分の中でいろいろな積み重ねがあって今があるんだし。また歌を歌うようになった時も、(アイドルとしての経験の)積み重ねがあるから今歌えているんだって思って、そういうことに対してマイナスな気持ちがなくなったんです。
――なるほど。
江嶋 やっぱり『TIF2025』に出たことが大きかったですね。今の私にオファーをくださる方がいるんだっていうところと、(『TIF』のバックヤードで)自分の仲良しさんもいっぱいいるし、アイドルちゃんがいっぱいいる中で、アイドルに対してマイナスな気持ちを持つのが嫌になってしまって。“アイドルって、私の土俵”みたいに、ちょっと強気になれました(笑)。今回の写真展では、アイドル衣装やセーラー服を着ているのですが、これまでだったら“この年齢でセーラー服を着るなんて嫌”っていう感じだったんです。でも、今回は“楽しそう!”ってけっこう乗り気でした(笑)。
――すごく前向きに取り組んだのですね。
江嶋 中学の制服を親に送ってもらったんです。そんなに身長も変わっていないので、全然着れました(笑)。
山本 違和感なかった(笑)。
江嶋 アイドル衣装も春花さんと一緒に探しに行きました。ハンドメイドのキッズサイズの服を着て撮ったりもして。今回、昭和・平成・令和のアイドルのオマージュを、それぞれの時代ごとに撮ったんです。
山本 昭和は(中森)明菜ちゃんみたいにしたよね。
江嶋 古着を着て、髪の毛もソバージュにして。で、令和はAI加工みたいな感じにしています。
山本 Vtuberみたいなイメージ。実態があるのかないのかよくわからないような、バーチャルで生きているアイドルを作ってみた感じです。
江嶋 今回のタイトルは『15のきらめき』なんです。自分が活動していたのは平成ですけど、私のお母さんが、ライブにも行くくらい松田聖子さんが好きで。そういう影響もあって、私も昭和のアイドルさんの曲が好きで、自分のルーツは昭和。そういうところから自分のアイドルは始まっていて、平成のモーニング娘。さんとかハロプロさんや、AKB48さんを観て育って、自分がアイドルになって。やっぱり、アイドルという文化がすごく好きだから、自分の15周年のタイミングで1度立ち返るのは面白いと思っています。
――昭和・平成・令和という3つの時代を表現するとなると、ヘアメイクもかなり作り込んだのでは?
山本 かなりがっつりやってもらいました。“ビフォーアフター”を観てもらいたいくらい、めっちゃ変わっています(笑)。
江嶋 セーラー服の時はさらっと髪の毛を下ろして、すっぴん風にしてもらって。昭和では髪の毛をソバージュにして、メイクもはっきりした感じにしてもらって、赤いピンヒールを履いて撮りました。平成は、それこそ当時の自分がやっていたようなメイクにしてもらって、自分で自分をオマージュする感じ(笑)。当時に寄せに行く感じでメイクしてもらいました。
――山本さんは今回の撮影で、気を配ったところは?
山本 あんまりないですかね(笑)。今年で3回目なんですけど、2人は考えていることが本当に一緒なんです。打ち合わせとかしなくても、“これで行こう”みたいなのが一致する。1回目から“写真を残す”みたいな気持ちが一緒で。“老い”と“若さ”の比較じゃないけど、女性の変化を残すことで、その人を俯瞰で見る……それもテーマだったんです。で、2回目は“休みの重要さ”。2人とも意識して休みを取らないとダメだっていう感じになってて。それでそういうテーマになったし、今回は、自分としてはエンタメの重要性みたいなものを再認識している年でもあって、えじは周年を迎えるタイミングだったりして……別にすり合わせなくても、やりたいことがホント一緒なんです。
――エンタメの重要性というのは?
山本 最近、エンタメの素晴らしさ、推しがいる素晴らしさを感じることが多くて。私は音楽も好きだし、舞台も好きで、そういうものに支えられながら生きていくことの素晴らしさをすごく感じる年だったんです。改めて考えてみた時に、自分が落ち込んだ時とかに励ましてくれたのは、やっぱりエンタメだなと。自分の仕事もそういう方向に行けたらいいなという想いもあって、今年はエンタメで、観ている人に喜んでもらえる展示にしたいなって思いました。えじが当時っぽい制服を着たり、アイドル衣装を着たりして、当時のようなポーズをすると、めちゃくちゃいいんですよ!
江嶋 封印していたんです(笑)。アイドルの時に自分にはあったんですよ、この角度でこの顔をして、立ちの時はこれで、みたいなポーズの型が。それこそアー写を撮る時とか、キメの形のまま止まろ続ける(笑)。でも、これまでの写真展の撮影でそれをやるとバリエーションがなくなっちゃうから、ちょっと封印してたんです。あと、そういう姿の自分を見られたくない時期でもあったし。でも今は逆にそれが面白いなって思えるようになって、自分でもやっているのが楽しくて。モニターに映った自分を観て“あっ! これこれ!”みたいに楽しんでできたのがすごく嬉しかったです。以前だったら“セーラー服は着たくないな、コスプレになっちゃうし”とか、ちょっと嫌だなっていう気持ちだったと思う。きっと以前の方が年齢も気にしていたんでしょうね。グループをやっていた時って、自分は年上の方だったし。今はけっこう年齢も関係なくなっていて、年齢非公開でやっているアイドルさんも多いじゃないですか。でも当時はあまりいなかったし、私は中学生からやっていて、最初から年齢が明かされていたので、いちいち隠せない(笑)。“もう25歳を超えちゃった、もういい歳だ”みたいに、すごく年齢を気にしていたんですよね。でも、アイドルを卒業して外の世界に出ると“若いね”って言われるんです。
――一般社会では、20代は若手になりますからね。
江嶋 そうですよね。今回の撮影は、めっちゃ楽しかったです。セーラー服を着て寝ころんじゃったりして(笑)。
山本 無理なくやれる時期だったんだろうね。抵抗感がまったく感じられなかったから。
次ページ
NEW POSTS!
新着記事