インタビュー
江嶋綾恵梨、山本春花【インタビュー】写真展『15のきらめき』――時代を超えて、アイドルの輝きを切り取る「アイドルは、やっぱりすごく素敵な文化」
2025.10.30 12:00
アイドルグループ・26時のマスカレイドのリーダーとして活動し、アイドル卒業後はヨガインストラクターやタレント、フォトグラファーとして多方面で活動を広げてきた江嶋綾恵梨と、雑誌・CDジャケット・広告撮影などで幅広く活躍する写真家・山本春花による3回目の写真展『15のきらめき』が、2026年1月10日(土)~1月12日(月・祝)に東京・HALO SPACE 06で開催される。

過去の写真展と同じく“若さと老い”を軸に、今回は昭和・平成・令和それぞれの時代を象徴するアイドル像をオマージュした作品を展開。江嶋の芸能活動15周年、そして30歳という節目に、新たな表現に挑んでいる。

開催を前に、江嶋と山本に出会いのエピソードからこれまでの歩み、そして今回の写真展に込めた想いを語ってもらった。

自分の老いに対する価値観も変化するから、続けていきたい(山本)



――まずはおふたりの“馴れ初め”から教えていただけますか?

山本春花(以下、山本) 『TIF』(TOKYO IDOL FESTIVAL)だよね、何年だろう?

江嶋綾恵梨(以下、江嶋) 『TIF』のトークステージ“INFO CENTRE”で富士フイルムさんの「写ルンです」を使って撮影する企画があったんです。その審査員を春花さんがされていて。私はカメラが好きだったので、それに参加していたんです。2019年だったかな。

山本 えじ(江嶋)には、2020年に“若さと老い”をテーマにした私のポートレート連載シリーズ『乙女グラフィー』に出てもらったから、確かに2019年だね。

江嶋 その企画で決勝まで行けたんですけど、優勝はできなくて。でも、ステージが終わってから裏で少しお話しさせていただいた時に、春花さんが私の写真をすごく褒めてくださったんです(笑)。それがすごく嬉しくて。

山本 確かに褒めました(笑)。

江嶋 さらに、写真集をいただいたんですよ!

山本 優勝は別の子だったんですけど、個人的にえじの写真が1番好きで、1番好きな写真を撮った子には写真集をあげようと思って、持ってきていたんです。

――江嶋さんの写真のどんなところに惹かれたんですか?

山本 切り取り方が良かったんです。「写ルンです」って、カメラのファインダーで見ているところと撮れるところがずれるんですけど、画角がめっちゃぴったりでした。あと色彩も素敵で。それですごく気に入って、写真集を渡しに行ったのが“馴れ初め”ですね。

江嶋 本当に嬉しかったんです。当時は20代前半だったし、何に対してもめっちゃ悔しい時期で。あの企画も、自分的には“めっちゃ良い写真が撮れた!”って思っていたのに、結果が出なくて、しゅんとしていたんです。そんな時に声をかけてくださったので。それをきっかけに、カメラを改めてちゃんとやろうと思ったんです。そこから、江嶋特有の“写真教えてください”が……(笑)。

山本 めっちゃDMが来ました(笑)。最初はレンズだよね? “どういうレンズを使ったらいいですか?”って。

江嶋 私、それまで女性のカメラマンさんに出会う機会がなくて、写真も良いって言ってくださったし、レンズのこと、聞いてみようって思って。でも、最初にプライベートで会ったのはサウナです(笑)。

山本 ああ、そうだよね(笑)。一緒にご飯を食べに行って、その後、サウナに行った!

江嶋 距離の詰め方がやばいですよね(笑)。

山本 ご飯を食べた後、“サウナ、行きませんか?”って誘われて。初めて会った時だから、“えっ!?”って思いました。

江嶋 そこからずっと仲良くしてもらっています。春花さんがnoteでずっとやってる『乙女グラフィー』にも参加させてもらったり。それもちょうど自分がアイドルの活動を休止する前後のタイミングだったんです。そこでも救われました。そう考えると、春花さんには、人生の要所要所でお世話になっています。卒業してからも、次で写真展が3回目になるし。

――おふたりで写真展を開催するきっかけは?

山本 最初は作品撮りをしましょうってことで、写真展をやるとは決まっていたわけではなくて。

江嶋 良い写真がいっぱい撮れたってところから始まって、2人でテーマを決めて展示しようってことになって。1回目のテーマは“若さと老い”。春花さんはそれをテーマにずっと撮影されていて、私も卒業して、ヨガを始めて、身体と向き合うことが仕事になったので、そこがリンクしてるねっていうことで。1回だけだと、その時だけになっちゃうけど、女の子ってすごく変わるし、定期的にやることに意義があるんじゃないかと思って、その後継続するようになったんです。

――写真展を続けていくことで変化することもありましたか?

江嶋 1回目は、アイドルを卒業してすぐだったから、普段着ない衣装を着て、可愛いメイクをしてもらって、“作品”っていう感じの写真を撮ってほしいってお願いしました。でも、2回目の写真展『ひと休み。』の時は……私と春花さんは考え方や環境がリンクしていることが多くて、その時期はお互い“週に1回くらいはちゃんと休みを取って、のんびりしよう”みたいなタイミングだったんです。そういう時期だったから、1回目はけっこう作り込んだけど、2回目はそれこそすっぴんというか、ナチュラルに近い、お休みしている感じの作品にしようって。1回目の時期だったら、すっぴんとか寝起きとか、絶対に嫌でした(笑)。でも、1年経った2回目の時は“確かにいいかもな”って思えたんです。考え方って変わるんだなって自分でも驚きましたね。ただ、休むことって自分がヨガを通して常日頃から伝えていることでもあるので、この時もお互いの伝えたいメッセージが一致したんです。

――話が戻ってしまいますが、山本さんはなぜ“若さと老い”というテーマで写真を撮るようになったんですか?

山本 『乙女グラフィー』は2014年にブログで始めたシリーズで、月に1回、女の子をフィルムで撮っているんです。始めたのが28歳くらいの時だったんですけど、27~28歳って女性が自分の身体の変化に気づく年齢なんですよね。痩せにくくなったりとか、ちょっとたるんできちゃったりとか。そういうことに1回気づいてしまうと、“あれ、シミができてる!?”とか“笑った時、こんなところにシワあったっけ?”とか、私はそういうことが全部呪いのように思ってしまって(笑)。老いが自分に来るなんて思って生きていなかったので、すぐには立ち直れないくらい、めっちゃショックだったんです。その怖さをどう乗り越えていこうかと考えた時に、若い子と自分の違いがわかれば、解決方法も見えてくるかもって思って。それで自分より若い子を撮り続けることをライフワークにするようになったんです。

――『乙女グラフィー』を通じて、老いに対する向き合い方は見えてきましたか?

山本 始めて2年くらいした時に、撮った子も年を取るわけなので、“老い”は自然なことなんだなって、1回答えが見えたんです。だけど、自分が30代中盤になって、“あれ、まだ老けるな”って思って(笑)。1回解決したら終わりじゃなくて、ずっと変化し続けるから、ターニングポイントみたいなものが次々に来るんです。その都度、感じることも違う……“やっぱいいや”って思える時もあるし、例えば、恋とかしてたら、老けたくないって強く思うこともある。その時の環境や、身体の変化によって、思うことが変わるんですよね。

――なるほど。

山本 最初は苦しかったけど、やっていくうちに面白くなってきました。自分の老いに対する価値観も変化するから、続けていきたいなって思っています。その年代によって見えてくるものが違うから、自分が70~80代になった時にどう思うのかすごく興味があります。
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